【古民家改修ホテル CASA WATARI KUWANA】

三重県の桑名市に古民家を改修したホテルがオープンしました!

築130年、日本一の山林王として名を馳せた諸戸家の庭園から移築された建物で、駆体は堅牢で、表面になぐり加工された梁もあるなど、当時の職人の技も随所に見ることが出来ます。

今回、その建物を、フロント棟とタイプの異なる2つの宿泊棟からなる一棟貸しのホテルとしてリノベーションされました。

設計施工は滋賀県竜王町にある谷口工務店、同社が2年前に手掛けた大津の町屋ホテル「ホテル講」に宿泊されたオーナー様が、そのテイストを気に入られ依頼をされました。

設計を担当されたのは、谷口工務店若手設計スタッフのU氏、オーナー様のこだわりや想いを丁寧に汲み取り、経験に裏打ちされた自らの発想の中で組み立てて行く、両者の対話の結晶として生み出された唯一無二の空間に仕上がっています。

そのこだわりは、照明や襖紙、タイルや外壁材など内外の至る所に見ることが出来ます。柔らかな光を照らす照明にはLouis poulsenも! 照明好きな方には一見の価値ありです。

もちろん弊社でも、色々な木材を提供させていただきました。昨年の秋口には、オーナー様が弊社にお越しになり、意匠のメインとなる部分の木材をお選びいただきました。

木材の選定と言っても何を基準に選んで良いのかは、正直難しい作業です。色み、木目、耐久性、価格など様々な要素があり、しかも仕上がった状態ではない荒木の材を見せられ、いきなりどれにしますか?と言われても直ぐに答えの出るものでもありません。

なので、私の方からも選択の参考になるべく様々なアドバイスもさせて頂きました。事前に図面を見ておく事でサイズ的な要素は準備出来、また、設計者との事前の打ち合わせにより、おおよその樹種も予算額の範囲内で絞り込むことができます。

バーカウンターにはブラックチェリー、ウォールナットの化粧梁、床柱には赤樫、階段材にはケヤキや桜、栃など。また、階段手摺の目隠し材には、桑名の立地ということもあり、桑の木を使ってもらいました。

他にも、施工が進むにつれイメージが固まっていくこともあり、床の見切り材にはブビンガ、カウンター下の腰壁には様々な色合いの樹種を使いパッチワークのようなしつらえに。これは棟梁のアイデアによるものです。また、日に当たって変色した杉やヒノキ、通称グレー材も上手に使われていて、古材っぽい仕上がりで空間にベストに溶け込んでいます。

今回も広葉樹といわれる木材を多用してもらいました。広葉樹は堅木とも言われ、文字通り非常に硬い木もあり、また、反りや捻じれなども生じやすく癖のある木でもあります。なので、加工についても一筋縄ではいかないため、木を見る目や確かな技術も必要です。この点では、棟梁のAさんを筆頭に谷口工務店の誇る大工職人の技が大いに活かされています。

以前は銘木といわれ日本家屋に頻繁に使われ、高級材として重宝された材が、建築様式や価値観の変化により最近では住宅においてはめっきり使われなくなった、そんな材があります。中には暗い倉庫の片隅に積み上げられたまま埃をかぶり見向きもされなくなって何十年なんていうものも。

今回、そんな材たちも多く使わせてもらいました。倉庫の奥から目を覚まし、Louis poulsenの灯のあたる晴れやかな場所に!決して材木屋のノスタルジーに浸っているわけではなく、価値ある材の有効活用、新しい場面での新たな価値の創出という想いもあり提案させてもらっています。

長島スパーランドやなばなの里もすぐ近くで、夏には長島の花火も見える好立地で、近くには桑名名産の海の幸も楽しめるお店もたくさんあります。

桑名と言えばやはり蛤、蛤のダシの効いた蛤うどんは絶品!超おすすめです!

 

CASA WATARI KUWANA

https://casawatari.com/

三重県桑名市大字桑名663番地7

TEL:0594-73-2082

2020年7月オープン!